なぜ人は花を愛するのか?

「お前らよりも盆栽のほうが可愛い」

ある女性(心理カウンセリングのお客さん)のお父さんは

昔から家族に向かってよくこう言うてたらしいの。

大抵の人はこれを聞いた瞬間

「なんてひどい父親なんや!?」

って思うよね^^;

でも、なんでこのお父さんがこんなことを言うようになったのか

なんで家族よりも盆栽のほうが可愛いと思うようになったのか

ここを見ていくと

「なぜ人は花を愛するのか?」

の答えの1つが見えてくる気がするわ。

今日はちょっと気が向いたから

このあたりをツラツラ書くね^^

冒頭のお父さん、たくさん盆栽を持ってて

大切に育ててたんやって。

いつも家族の輪の中に入らず1人

庭に入り浸って盆栽をいじってたらしい。

このお父さんにとって

家族と盆栽の大きな違いって何やと思う?

ってか、人間と植物の大きな違いって何?

人間はなんやかんや考えたり、こちゃこちゃもの言うけど

植物はたぶん考えるってことはないし、ものも言わへん

ってところなんとちゃうかな?

お父さんの家族は人間やから(そりゃそうや)

お父さんのことをああだこうだジャッジするし文句も言う

でもお父さんが育ててた盆栽たちは

お父さんのことをジャッジせえへんし文句も言わへん。

お客さんの話によると実際お父さんは

子どものころから母親(お客さんから見たらおばあちゃんやね)からいっぱいダメ出しされて育ち

結婚してからは奥さん(お客さんのお母さん)からいっぱい不平不満をぶつけられてたそう。

娘であるお客さんも、そんなお父さんのことを「ダメなお父さんやな〜」って失望しながら見てたらしいわ。

お父さんがホンマにダメダメなのか、そうでないのかは関係なく

自分のことをそんなふうに見てる家族と一緒にいると

どんな気分になると思う?

「ダメなヤツって思われてる」「責められてる」「がっかりされてる」

って罪悪感や無力感を感じるんやないかな。

それがずっと続くとどうなるか?

「家族」と、彼らと関わってるときにいつも感じる罪悪感や無力感などの「感情」が

お父さんの中で「セット商品」になるの

家族=罪悪感、無力感

みたいに。

キンモクセイの芳香剤の効いた乗用車でしょっちゅう乗り物酔いを起こしてると

乗用車に乗らなくてもキンモクセイの香りを嗅いだだけで乗り物酔いみたいに気分が悪くなる、みたいな感じね。

あ、これ私やわw

誰だって罪悪感や無力感なんて嫌やん、感じたくないやん。

そうなると、これとセットになってる「家族」と関わるのが嫌になるのよ。

盆栽はお父さんのことをジャッジしないわ。

もしかしたら内心(?)ジャッジしてるかもしれへんけど

うちら人間は植物が何かをジャッジすることはないって信じてるから

盆栽と接してても「ああ、盆栽からダメ出しされてる」「盆栽から責められてる」「盆栽からがっかりされてる」とは感じへんわねw

お父さん、盆栽と一緒にいても罪悪感も無力感も感じることがないのよ。

それだけでも救われるわ。

さらに植物って一見、自力では何もできへん無力な存在よね。

まだ野生の植物なら、じつは自力で生存のためのいろんなことをやってるかもけど

小さな鉢に入れられた盆栽ではそれが難しい。

お父さんからしたら「俺がいないとコイツ(盆栽)は生きていかれへん」「コイツには俺が必要」って思えるんやないかな?

家族からは感じれなかった「必要とされてる」っていうのが感じれる。

そして「自分はここに存在していいんや」って。

無力な盆栽を大切にお世話してるとそんな自分のこと、どう感じるかな?

「すごく優しくて良い人間」

って思うんやないかな。

家族の前だと「自分はダメでろくでもない人間」って感じさせられるけど

盆栽の前だと「愛の人」でいられるのよ。

ダメでろくでもない人間

愛の人

あなたはどっちの人でいたい?

多くの人は、できることならいつも「愛の人」「良い人」でいたいんとちゃうかな?

たぶんお父さんもそう。

そして自分を「愛の人」でいさせてくれる盆栽たちのことを大好き、可愛いって思ったのね。

家族のことを愛していないわけやない。

ただ、家族と一緒にいるときに感じる罪悪感や無力感、そして「ダメでろくでもない自分」から逃れたかったんやと思う。

お父さんにとって盆栽と向き合っているときだけが、罪悪感や無力感から解放され、自分を好きでいられる時間やったんやろね☆

今回のケースは盆栽やったけど、お花も同じ。

ジャッジしない(自我意識がない、たぶんw)し

無力(あくまで一見・・・やけど)やわ。

だからお花を見て傷ついたり苦しくなる人はあんまりいないし

(何か過去の経験がお花と結びついてる人は別として)

お花の前では「愛の人」「良い人」でいられる

それが「なぜ人は花を愛するのか?」の答えの1つやと

私は思うわ☆

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